★プロキシサーバーとは★
プロキシサーバーとは、コンピューターの代わりにインターネットに接続し、Webサイトへとアクセスするサーバーのことです。プロキシサーバーは、主に社内LANと外部ネットワークの中間地帯であるDMZという領域に配置されます。企業の社内ネットワークでは、セキュリティの安全性の確保のために、社内LANと外部ネットワークとの間にファイアウォールを設置しています。しかし、このような状態ですと、社内LANからインターネットへのアクセスが出来ません。この問題点を解消するためにプロキシサーバーが設置されるのです。社内LANに所属する各クライアントPCは、一旦、プロキシサーベーへ要求を発信し、その要求を受け取ったプロキシサーバーが外部のサーバーへと要求を送信します。
下記の図のような仕組みとなっております。
(画像出典元: https://boxil.jp/mag/a3028/)
★プロキシサーバーのメリット★
1.Webページの表示を高速化出来る。
プロキシサーバーにはキャッシング機能というシステムが搭載されています。キャッシング機能とは、クライアントPCから受け取ったリクエスト情報(Webサイトのページ情報)をHDDに保存する機能です。クライアントPCから、再度同じリクエスト情報を受け取った場合、キャッシュとして保存したリクエスト情報を、わざわざWebサーバーを経由せずにその場で返信することが出来るため、高速でWebページの表示を行うことが出来ます。
2.匿名性を確保出来る。
クライアントPCから直接、Webサーバーへとアクセスすると、IPアドレス情報がWebサーバー側に漏洩してしまう危険性があります。自宅のPCから、インターネットへアクセスする際には、その都度、IPアドレスの値が変更されますが、企業のPCからインターネット接続を行う場合は、専用回線を使用して通信が行われるので、危険度が飛躍的に高まります。そこで、プロキシサーバーを経由してインターネット接続を行えば、接続元が分からないため、IPアドレスの情報が外部に漏洩することはありません。
3.フィルタリング機能が搭載されている。
プロキシサーバーのフィルタリング機能では、特定のURLのアクセスを禁止することによって、社内ネットワークに不正なプログラムなどが侵入することを防ぐことが出来ます。また、ウィルスチェック機能も搭載しています。そのため、外部からのサイバー攻撃と内部からの機密情報の漏洩を未然に防止することが出来ます。
★プロキシサーバーのデメリット★
1.アクセス履歴をもとに個人情報が盗まれる可能性がある。
プロキシサーバーの中には、悪意のあるサーバーも存在します。プロキシサーバーにアクセスしたクライアントを危険なサイトへと誘導したり、プロキシさせたりサーバーに記録されたログを元に個人情報を外部に流出させたりなどといった悪意ある動作を行うこともあります。また、悪意のないプロキシサーバーを利用していたとしても、クラッカーなどの攻撃者に一度乗っ取られると、同じく重要な情報が漏洩してしまいます。
2.通信速度が低下する。
プロキシサーバーを経由してインターネット接続が行われるため、通信の速度が下がります。複数のユーザーが利用している場合には、データの読み込みに相当な時間がかかるケースもあります。また、負荷に弱いサーバーの場合は、結構簡単にダウンしてしまうこともあります。
★終わりに★
あらゆる機能に共通して言えることだと思いますが、便利なものには、デメリットも存在します。プロキシサーバーの場合は、サーバーの設定の仕方が正しく行えなかったり、サーバー選びに失敗すると、メリットよりもデメリットによる影響の方が大きいと思えます。しかし、しっかとした調査のもと、信頼性の高いサーバーを利用することが出来れば、メリットによる多大な恩恵を享受できるでしょう。