来年は2023年です。2023年の干支は卯ですね。
それにちなんで、USAGIと呼ばれるLinuxのIPv6対応プロジェクトをご紹介します。
USAGIプロジェクトとは
「UniverSAl playGround for Ipv6」の略称であり、LinuxとIPv6をこよなく愛する国内エンジニアが「LinuxのIPv6環境向上」を目指して2000年に発足されたプロジェクトになります。BSD向けのIPv6ソフト開発プロジェクト「KAME」もあります。うさぎとかめです。
LinuxはIPv6にいち早く取り組んでおり、他OSより先んじてIPv6が使用できる環境でしたが、その後のアップデートはされないまま、いつしか実用できなくなっていました。
また、Linux(カーネル部分)はIPv6対応していても、付属するディストリビューション(RedhatやUbuntu等)が未対応であったので、IPv6環境を利用するユーザーも出てきませんでした。
そこで、上記状態を打開するために産まれたIPv6ソフトウェアがUSAGIになります。
USAGI発足後
LinuxカーネルにはIPv6ソフトが組み込まれていましたが、標準から外れた仕様となっており、利用する際にはtelnet等の個々のプログラムすべてにパッチをあてて最適化しなければならず、IPv6環境の利用はハードルが高いものとなっていました。
しかし、USAGIが登場したことでLinuxカーネルのIPv6機能の向上をしてくれる他、複雑な手順だった上記作業を単一パッケージで提供されるおかげで、手軽にLinuxに最新基準を満たしたIPv6環境を構築することができるようになりました。
現在はIPv6環境も標準となっていますが、IPv6環境への適応にあたって様々な歴史がありました。
新しい環境への適応ができるのも、オープンソースソフトウェアの強みですね。
参考:
第1回 最新のIPv6環境をLinuxに組み込む | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
USAGIプロジェクト活動の歴史 と総括 wide-tr-usagi-history-00.pdf