今回は、Cisco IOSのモードについてまとめます。
Cisco IOSの前提については過去投稿をご確認ください。
【ルータの起動直後の操作について】
■Cisco IOSのモードについて
Cisco IOSにはいくつかモードがあります。
このモードによってできることや実行できるコマンドが異なります。
---
①【ユーザEXECモード】
プロンプト
[>]
機器のステータスを確認できるモードです。
確認できない項目もあるので注意が必要です。
どのアクセス方法であってもルータにアクセスしてログインする際には、
通常、最初にユーザEXECモードになります。
ユーザEXECモードでは、機器のステータスを確認することができますが、
制限があり、確認できない項目も存在します。
制限なく機器のステータスを確認するには、
以下②の【特権EXECモード】に移行する必要があります。
移行するためにはユーザEXECモードにてenableコマンドを入力します。
[>enable]
②【特権EXECモード】
プロンプト
[#]
特に制限なく機器の動作やステータスを確認できるモードです。
ファイルの操作なども可能です。
設定ファイルの操作といったことも行うことが可能です。
ただし、あくまでも確認を行うモードのため、
設定を行うには以下③の【グローバルコンフィギュレーションモード】に以降する必要があります。
移行するためにはconfigure terminalコマンドを入力します。
#configure terminal
逆に特権EXECモードからユーザEXECモードに移行する際には、
disableコマンドを実行します。
[#disable]
③【グローバルコンフィギュレーションモード】
プロンプト
[(config)#]
機器全体にかかわる設定を行うモードです。
以下④のインターフェイスコンフィギュレーションモードなどの
各種コンフィギュレーションモードに移行するには、
特権EXECモードに移行からは移行できず、
一度、このグローバルコンフィギュレーションモードを経由する必要があります。
グローバルコンフィギュレーションモードから特権EXECモードに戻るには、
グローバルコンフィギュレーションモードにて、
exitコマンドまたはendコマンドを実行します。
[(config)#exit]
[(config)#end]
exitコマンドは、グローバルコンフィギュレーションモード以外でも1つ前のモードに戻る際に使用可能です。
また、exitコマンドをユーザEXECモードと特権EXECモードで入力すると、
ログアウトすることができます。(logoutコマンドでも同様のことが可能です。)
endコマンドは、設定関連のどのモードからでも特権EXECモードに戻ることができます。
Cisco IOSではグローバルコンフィギュレーションモードを経由してさらに様々なモードに移行し、設定を行います。
そのため階層が深くなると、特権EXECモードに戻って設定を確認する際に、
exitコマンドを複数回実行しなくてはなりません。
endコマンドを使うと一回のコマンド実行で特権EXECモードへ移行することができるため、
操作の時短をすることができます。
④【インターフェイスコンフィギュレーションモード】
プロンプト
[(config-if)#]
インターフェイスに関する設定を行うモードです。
⑤【ルーティングコンフィギュレーションモード】
プロンプト
[(config-router)#]
ルーティングに関する設定を行うモードです。
⑥【ラインコンフィギュレーションモード】
プロンプト
[(config-line)#]
ライン(コンソール、AUX、VYT)に関する設定を行うモードです。
---
プロンプトによって現在のモードを把握することができます。
また、プロンプトの手前にはその機器のホスト名が表示されます。
■参考文献
林口裕志,浦川晃.シスコ技術者認定教科書.CCNA 完全合格テキスト&問題集 [対応試験]200-301, 2023,95-98